【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
みんなに頼られてて
憧れの存在だった委員長は
あたしたちが嫌がることを
自ら進んでやってくれてたんだ……
「そんなことしてたらみんなから
名前ですら呼んでもらえなくなってた……
みんなみんな『委員長』って呼ぶんだ……」
「じゃあ、あたし優理ちゃんって呼んでいいかな?」
あたしが笑顔で言うと、
「うん!!嬉しい!!」
まだ誰にも見せた事の無い笑顔で笑ってくれた。
「優理ちゃん!改めてよろしくね!!」
あたしは優理ちゃんの前に右手を出した。
優理ちゃんも右手をだし、握手を交わした。
そうだよね…
だって優理ちゃんも1人の女の子であって
あたしたちのクラスメイトだもん
委員長なんかじゃ遠いよね!
「優理ちゃん、友達いないって
言ってたけどあたしはちゃんと友達って思ってるよ!
確かに話す機会は少なかったし
グループも違ったけど
これからはたくさん話したりしよう!」
あたしが優理ちゃんにそう言うと
優理ちゃんはいつもよりも何倍も可愛く笑ってくれた。