【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
あれ…?
蒼…今日は
「寝てない……の?」
「さっき寝たから。」
「あ、そっか」
「帰るか……?って泣いたのか?」
「え?うん、でも大丈夫!帰ろう蒼!!」
あたしは泣いていたことを
さらっと流して、帰る方向へと歩き出した。
「待てって!」
腕を引っ張られた勢いで蒼の胸に飛び込んだ。
「なんかあったんなら無理して笑うな。」
「……蒼…。」
蒼の大きな手、暖かい腕。
とても安心する……