【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
「舞衣、辛いときは泣いていいからな。」
「うん……ありがとう…」
蒼の言葉はあたしの心を軽くしてくれる。
「帰るぞ。舞衣」
そう言ってあたしの手を強く握る蒼。
あたしも握り返した。
「うん。」
そして家までの道をゆっくり歩き始めた。
いつもと違った。
家までの道のり、
この道の明るさ、
とっても短く感じた。
とっても明るく感じた。
蒼があたしの隣にいるから……
あたしの隣に居てくれるから笑顔で居られるんだよ……