俺様彼氏と同居生活
「それは……お前が俺を助けてくれたから」



私が慧を助けた?



……って昨日のこと?



「確かに助けたけど、それだけで?」



「ああ。俺にとってはそれだけじゃない。俺を助けてくれたのは奈緒が初めてだから」




慧を助けたのは私が初めて?



なんか引っかかる言い方。



それじゃまるで……なんどもあんなことがあったみたいじゃん。



「だから…俺にとって奈緒は、特別なんだ」




そう言った慧の瞳は、真剣にも見えたけど、切なそうにも見えた。



「…う、うん…」


思わずその瞳から目を逸らしそうになる。


けど、心をぐっとつかまれたように逸らせない。



「俺と付き合ってほしい」



< 25 / 32 >

この作品をシェア

pagetop