恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
翌日、母に大北さんとのことを報告した。
ありのままに隠さず全部話した。
母は眉をひそめて、苦しそうな表情で私の話を聞いていた。
私を心配しているのか、解約されることを心配しているのか。
「そんなことがあったの・・・・・・」
母は、そう言うと、気持ちを整理するかのように部屋を歩き出した。
「ごめんね。お母さんの仕事の邪魔をして」
私が、ソファに腰掛けながらそう言うと、驚いたように私の顔を見た。
「何を・・・・・・真智、何を言ってるの。邪魔をしたなんてそんなこと思ってないわよ」
「でも、大北さんは大事なお客さんでしょ?」
「真智を利用していたのはお母さん。嫌な想いをさせてごめんね」
母は私の隣に座って、手を握った。
久しぶりの母の手は、温かかった。
昔と同じ、温かい手だった。