恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「今、店の前らしいっす」
来てくれた。
慶次郎に会える。
私は、手元にあった生ビールをグイっと飲み干した。
小皿に乗ったししゃもも口へ放り込む。
ちょっとオシャレなチーズを小皿に乗せて、カシスフィズなんてかわいいカクテルを注文した。
「遅れてすいませんっ!!」
仕事帰りの慶次郎は、濃い緑色の浴衣姿だった。
「素敵~!」
大きな声で騒ぐモニカ。
モニカが自分の隣の席を空けて、慶次郎を誘導する。
「あ、すいません」
とあっさり慶次郎も席に座る。
私とは一番遠い席。
微妙に聞こえるようで聞こえない声。