恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
ちゃんと話がしたいと言った慶次郎。
大北さんとのことだろうか。
あの電話の後、すぐにでも会いに行って真実を話すべきだった。
会いたくて会ったわけじゃないこと。
母のために仕方がなく会ったんだと、一分でも早く伝えるべきだった。
「明日、みんなで海行かない?」
ため息をついた私の顔を覗き込む丈治君。
「海?」
「秋の海、いいよ~!」
秋の海。
学生時代の彼氏と行ったきりだ。
慶次郎と行きたい。
「慶さんも誘ってみんなで行かない?」
慶次郎も一緒。
それなら、と私は頷いた。