恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
モニカからのメールが届いたのは、海へ着く直前だった。
“慶次郎のこと、好きになってもいい?”
たったそれだけのメールだった。
返信できないまま、海へ到着した。
そこには、白い車が一台停まっていた。
「慶さん、もうついてるな」
丈治君はそう言って、その白い車の隣に自分の車を停めようと移動した。
あの車、慶次郎の車なんだ。
あの中に乗ってるのは慶次郎。
誤解を解けないまま、次から次へと誤解が生まれていて、私と慶次郎は泥沼の中にいるようだった。
モニカと何があったのか。
丈治君と私のことも誤解しているかもしれない。
ちゃんと話せばすぐに解決することなのに、どうしてもうまくいかない。
恋をすると、臆病になる。
向き合うことが怖くなる。