恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
恋愛を楽しもうなんて思ったけど、やはり現実にドキドキしてしまうと、臆病になる。
私の心の奥にある、結婚しなくてはいけない、という想いは消えることがない。
恋をしてはいけない。
もう恋を楽しむ年齢じゃないし、真剣に付き合える相手を見つけなければいけない。
ときめきやドキドキを楽しんでいられた二十代とはやはり違う。
こういうビビビっと来た相手とは、うまくいかないもん。
今までもずっとそうだった。
自分が一目惚れしちゃった相手とはうまくいった試しがない。
相手は、ただの街の写真屋さん。
恋しちゃだめ。
この人は恋の相手じゃない。
私を被写体としか見ていないのだから。
それに、母が気に入るわけがない。
母を喜ばせる結婚をしなくちゃいけない。
今日撮ってもらったお見合い写真で、私のお見合いは成功する、はずなのだから。
ドキドキしている場合じゃない。