恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「モニカ、慶次郎だけは譲れない。私、本当に慶次郎のことが好きだから」
言えた。
目を見て言えた。
対等になれた気がした。
私は、モニカといる時、いつもモニカよりも下にいた気がする。
それは、モニカが偉そうにしているわけじゃなく、勝手に私が下に下がっていた。
「やっと、だね。真智、初めてだね。今回もまた譲ってくれるのかと思ったのに」
「絶対にだめ!!」
また噴水が止まったので、私の大声が公園に響き渡り、ふたりで大笑いした。
逃げることは簡単で。
向き合うことは勇気がいる。
でも、そこから何かが生まれる。