恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「実はね」
モニカが静かにそう言った。
私は息を飲む。
「慶次郎のこと、好きじゃないよ」
穏やかに話し始めたモニカ。
「え?」
「今までの真智の恋愛を見てきて、ずっと思ってたんだよね。私だったら、友達に奪われるなんて絶対に嫌なのにな~って。真智の恋は、本気じゃないと思ってた。だから、今回あんたが本気だって言うから、それを確かめたかったんだよ」
ふんわりパーマの髪を指に巻きつけるモニカ。
さっきの店の匂いがまだ残っていた。
「わざと、慶次郎に近付いたってこと?」
「まあね。譲ってくれるっていうなら、ぜひ譲って欲しい人材だけどさ。真智の本気度を確かめたかった」