恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~





「また会いに来るね」




温かい背中に体をくっつける。




落ち着く匂い。



お香の匂いと慶次郎の匂い。






「今日も明日も明後日も会いたいですね」




そんなことを言ってくれる慶次郎。




キスをしたかったけど、自分の口紅が慶次郎についてしまうので、我慢した。






「じゃ、帰る!頑張って」




そう言った私の腕をガシっと掴み、部屋の奥へと引っ張った。





そして、静かにそっとキスをした。




口紅がつかないくらいのソフトなキス。







「なかなかゆっくり会えなくてごめん」





私の頬を両手で挟み、鼻先をくっつけた。





「愛してる」





慶次郎はそう言うと、仕事モードの顔へと切り替わる。



テキパキとカメラの機器を片付け始めた。





< 175 / 331 >

この作品をシェア

pagetop