恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「ホテル、行くか?」
真剣な表情に変わった彼の腕に、腕を絡ませた。
こんなことをしても、何も前に進まない。
今まで、いい関係を続けてきたのに、体の関係になってしまったら、もう会えなくなる。
頼れなくなる。
だめだってわかっているのに、絡めた腕を離すことができなかった。
暗い路地をゆっくりと歩く。
心の中にある小さな迷いがふたりの足取りを重くさせている。
足元がふらつく程に、私も彼も酔っている。
こんな状態で結ばれても、後悔が残るだけなのに。
でも、私達はホテルへと向かっていた。