恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
絡み合うようにホテルへと移動する私達。
その時、私のポケットの中で携帯電話が震えた。
「ちょっとごめんね」
知らない番号からの電話だった。
「もしもし」
相手の声を聞いて、私は体が震えるほどにときめきを感じてしまった。
慶次郎だった。
「あ、写真ですか?」
『綺麗に出来上がりました。いつ取りに来られますか』
淡々と話す慶次郎とは正反対の私。
胸の高鳴りが止まらない。
今隣にいる彼のことを完全に忘れてしまっていた。
「明日、行きます」
『では、明日お待ちしております。遅くに電話してしまってすいません』
「いえいえ。わざわざありがとうございます」
電話を切り、着信のあった番号を見つめ、一瞬でその番号を記憶している私。
写真屋さんとお客のありきたりな会話で終了した。
「誰?」
彼にそう問われて、私は深呼吸をした。
「やっぱり、私達はエッチしちゃいけない、よね?」
冷静にそう言うと、彼もまた同じように深呼吸をした。
「だな。俺とお前は、今まで通りの関係でいなきゃだめだな」