恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
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「つ~か、あんたも慶次郎もどんだけ不器用なの?」
フランスパンにオリーブを乗せて、チーズをかけて焼く。
たったそれだけなのに、とてもオシャレで高級な感じ。
「これ、美味しいね」
私は、食欲がある自分に少し安心した。
「そんなの食べてる場合?慶次郎、絶対泣いてるよ。ああいう男ってナイーブだから」
ワイングラス片手に、モニカが呆れたように言う。
泣きたかったのに、泣けない。
モニカ、ありがとう。
モニカの醸し出す独特のこの空気感が好きだ。
涙が消えていく。