恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「別れるような状況じゃなかったのに、勝手に自分達でストーリー作って別れる方向にしちゃったんだよ。真智のお母さんだって、真智の幸せを一番に望んでると思うよ」
お母さんの言った言葉が重くのしかかっていた。
その言葉をそんなにも重く受け止めてしまう私自身の心。
私に問題がある。
母は母。
私は私。
私は母の分身ではない。
私は、私の生きたいように生きればいいのだ。
わかっているのに、母の望む人生を歩まなくてはいけないと、どこかで感じている。
どうすれば、いいの?
「時間が必要だね。慶次郎にも、真智にも。少し離れたくらいで、だめになる愛ならその程度ってこと。少し離れて、お互いにじっくり考えたら?」
少し離れる。
今までの彼氏とは、少し離れるという表現は、別れると同じだった。