恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「こんばんは」
慶次郎は、やはり着物を着ていた。
今日は、深い緑色の着物で、髪を軽く結っている。
「仕上がり、自信満々ですよ」
そう言って、ニヒルに微笑んだ慶次郎は、引き出しから写真を取り出した。
「お綺麗です」
静かにそう言った後、ゆっくりと写真を開いて見せてくれた。
「これ、私ですか?」
今までのお見合い写真は何だったのか。
いつもの証明写真のような硬い表情ではなかった。
ナチュラルでとても幸せそうに微笑んでいる。
きっとこの時点でもう慶次郎に恋をしていたからじゃない?