恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「本当にお綺麗です。この自然な笑顔、最高ですね」
その写真に写っているのは私なのに、私じゃないみたい。
「こんなに素敵に撮ってもらえて、嬉しいです!」
「喜んでもらえて、僕も光栄です。でも、モデルがいいからですよ」
慶次郎は、チラっと私を見た後、照れ臭そうに鼻先を触った。
「まさか、本当にお見合い写真じゃないですよね?」
またこんな質問をして、私に期待させちゃう悪い人。
あ。
好きかも。
セクシーな首元にあるほくろ。
前は気付かなかったな。
「実は、お見合い写真なんですね~」
軽く答えてみる。
「お見合い写真だとしたら・・・・・・渡したくないな」
慶次郎はポツリと呟くように言った。
悪い人。
期待しちゃうじゃない。
私はただのお客さんでしょ?
誰にでもそんな思わせぶりなことを言うの?