恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
どう答えていいかわからなかった。
ここで、認めてしまうと、川北さんとはきっとこれっきりになる。
そんな気がした。
私は、川北さんを好きになろうとしている。
「そんなこと、ないよ?」
「そう?」
でも、ニヤっと笑った川北さんに、嘘をつくことはできなかった。
「実は、当たりです」
そう言うと、やっぱりな~と目を細めて、腕を組んだ。
川北さんはとても素敵な男性だし、一緒にいて楽しい。
だけど、それは恋じゃない。
恋は、しようと思ってするものじゃない。
止めようと思っても止められないのが恋。
それは、慶次郎が教えてくれた。
目が合うだけで、苦しくなるような。
声を思い出すだけで、胸が締め付けられる。
そんな恋を知ってしまったんだ。