恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「男として尊敬するけど、そんな完璧な男っていないよ」
「うん。そうだよね」
「ぐちゃぐちゃでいいんだよ。恋愛なんて。泣いたり怒ったり、ぶつかってぐちゃぐちゃになってもいい。それでも好きなんだ!って気持ちが大事だと思う」
慶次郎がぐちゃぐちゃになる姿は想像できなかった。
いつも冷静で・・・・・・
「あ」
思い出した。
私がお見合いをしたあの日。
あの日の慶次郎は冷静じゃなかった。
「実はね」
あのお見合い乱入の話をした。
あの時の、慶次郎は周りが見えていなくて。
でも、そんな慶次郎を見て、ますます好きになったんだ。