恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「お見合い失敗してばかりなので、今回も失敗しますから」
「いやいや。この写真を見れば、写真だけで惚れられちゃいますよ」
熱い眼差しで、写真の中の私を見つめる。
私自身を見つめられているわけじゃないのに、緊張して体が動かなくなる。
へびににらまれた蛙?
もう、だめ。
とけちゃいそう。
「お見合いなんてしなくても、相手はいくらでもいるでしょう」
この丁寧な話し方に、ドキドキする。こんな男性には出会ったことがないから。
「私、だめな女なんで」
「そうですか? 自分でそう言う人はそうじゃないんですよ」
「いえいえ。慶次郎さんは、私のこと何も知らないでしょ?」
「え?」
驚いた顔で私を見た。
あ、そうか。
「名前、覚えてくれてたんですか?」