恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「誰かに取られるって思うと惜しくなるだけでしょ?真智は、それくらいにしか想ってなかったんだよ、慶次郎のこと。私の方が慶次郎のこと幸せにできる」
静かに、丁寧にそう言ったモニカは、千円札をテーブルに置いた。
「私、本気だから。じゃ、バイバイ」
店を出ていくモニカを追うこともできなかった。
慶次郎に会いに行くモニカ。
本当は、私が会いに行きたい。
会いたい。
会いたい。
慶次郎の顔が見たい。
後ろ姿でもいい。
一瞬でもいいから、見たい。
大好きな着物姿。