恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「会いたかった」
そう言って、もう一度強く抱きしめてくれた。
「モニカと飲みに行くんでしょ?」
「ん?そんな予定はないですよ」
「へ?」
「また、彼女にやられましたね。ふふ」
モニカの作戦にまんまと引っかかった私。
でも、引っかかって良かった。
会いに来て良かった。
素直になれた私は、少しはイイ女になれたかな。
「このまま返したくない気分ですが、今から仕事の打ち合わせがあるんです」
「頑張ってね。私ももう帰らないと」
「また来てくれますか」
「来る!!」
「だめだな、僕は」
「だめじゃないよ!だめなのは私だよ」
「どういう意味ですか?もしかして、僕以外の誰かを好きになったんですか」
そう言って、慶次郎は目を細めた。
「な~んてね。嘘ですよ」
私の頭をポンポンと優しく撫でた。
その笑顔がたまんない。