恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「今日はデートよね。クッキング教室の男の子と」
化粧をする私の背後から声が聞こえた。
「うん。そうだけど」
新聞を片手に母がニヤニヤしながら立っていた。
バリバリ働く母にとって、朝刊は必要不可欠なのだ。
「真っ赤な下着つけた?」
嬉しそうにこんなことを言う母。
やはり、川北さんと私が付き合うことに賛成なんだよね。
試すように私をジロジロ見て、頑張ってねと言った。
何を頑張るんだろう。
「別にただの友達だから」
と言い、家を出た。
私がもしもドラマのヒロインなら、みんなから嫌われる。
好きな男と別れて、ちょうど良い感じの別の男性に近付いてさ。
でも、やっぱり忘れられないからって、また戻るなんて。
ヒロインになんてなれない。
こんな、かわいくない女は。
サブキャラだな。
ヒロインはきっと、サトちゃんだ。
サトちゃん側から見ると、私は最低最悪の女。
去ったと思ったら、また戻ってきて。
サトちゃんと慶次郎がどうなっているのかは知らないけど、もしも少し接近していたとしたら・・・・・・