恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「この写真をお渡ししちゃうと、もうお別れですね」
とても切ない表情で慶次郎は静かにそう言った。
だめだよ、本当に。
そんなこと言われちゃうと、本当に期待しますよ? 私。
結構、重い女ですよ?
いいんですか?
「じゃあ、受け取るの、やめときます」
こんな冗談を、本気にしてくれる?
慶次郎は腕組みをして、ふふっと笑った。
「じゃあ、お見合い、しないでくださいよ」
「でも、こんな素敵な写真撮ってもらったから」
慶次郎は、写真を静かに閉じて、軽く目を閉じた。