恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「お母さん?」
「そうです。真智のお母さんが、僕達のキューピットです」
目を白黒させているうちに、観覧車が終わりに来てしまった。
私は、混乱したまま、観覧車を降りた。
「慶次郎、どういうこと?」
「そういうことですよ」
意味深なことを言いながら、私達は公園へと向かっていた。
「22時になると雪が降るらしいんだ、この公園」
「あ、後輩が言ってた!もしかして、もうすぐ時間?」
「まさか、真智とこの時間に一緒にいられるなんて」
パラパラと白い雪が舞い降りる。
クリスマスらしい鈴の音と共に。