恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「お母さんは素敵な人です。真智が思っているよりも、もっともっと真智のことをわかってくれている。何度か、写真館に来てくれたんですよ。お母さんが」
「あ、遺影の写真の時?」
「あの後です。その時は特に話すことなく帰られたんですが後日来てくれてね。真智のことを心配していた。あの子はきっとあなたのことを本気で愛していると思う、と言ってくれた。お母さんは全部わかっていた。自分の為に、真智が苦しんでいるんじゃないかって」
知らなかった。
お母さんと全然話をしていなかった時期だと思う。
私はバカだ。
何もわかっていなかった。
お母さんの愛。
お母さんの無償の愛。
お母さんは何も望んでいなかった。