恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「お母さんに早く会いたいな」
私はお母さんの得意気な微笑みを想像して、ムフフと笑った。
「きっと喜んでくれますよ。本当に素敵なお母さんだ」
慶次郎も、得意気な微笑みで私を見下ろした。
「私達、幸せだね」
「みんなのおかげだな」
恋のキューピットがふたりもいた。
モニカとお母さん。
素直になれない不器用ないい歳した私達の為に、キューピットが勇気をくれた。
真っ白な雪が降る夜空を見上げた。
頬に感じるひんやりした雪の冷たさ。
一生忘れない。
この幸せな感触。
「今から、お祝いの撮影会でもしません?」
ニヤリと笑った慶次郎。
私はコクンと頷いた。