恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「真智さん、元気にされてますか?」
僕がそう尋ねると、お母さんはしばらく考え込むように下を向いた。
そして、僕の目を見た。
まっすぐに。
「あの子は、あなたを愛していると思う。今の真智は、ちっとも幸せそうじゃない。全然笑わないし、寂しそうよ」
苦しいよ。
真智。
君の幸せを願って、僕は別れを告げたのに。
君は幸せじゃないんですか?
じゃあ、僕はどうして別れたんだろう。
「あなたも真智を愛してるんでしょう」
お母さんのまっすぐな目に吸い込まれそうだった。
僕は、目をそらさずに言った。
「はい。愛しています」
迷うことなく言った。
僕は、真智を愛している。
きっと、これからもずっと。
誰とも恋をしない。
誰も愛さない。
誰とも結婚しない。
一生、真智を愛していくんだろう。
自分の選んだ道を後悔しながら。