恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「まだ、間に合うはずよ。真智のこと、幸せにしてもらえません?」
お母さんは、僕と真智の交際を反対していた。
僕は結婚相手としてふさわしくないと思っていたはずだ。
「僕が幸せにしてもいいんですか?」
お母さんは、目に涙をためて、静かに首を縦に振った。
「ごめんなさいね。私のせいで別れたんでしょ。私は、真智の母親です。あの子が辛い日々を送っていることは耐えられない」
「僕は間違っていました。真智さんの幸せを願って、身を引きましたが・・・・・・やっぱり僕と一緒に幸せになって欲しい。お母さんに認めてもらえるまで頑張ります」
別れた後、密かに考えていたことがある。
お母さんを納得させられる条件を引っさげて、もう一度話してみよう、と。
そう計画していながらも、一度別れを言い出したのだから、と自分を止めるもう一人の自分がいた。
でも、お母さんがその意気地なしの僕を消してくれた。