恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~

慶次郎が注文したカクテルの名前はオシャレすぎて覚えらなかった。

私は、ありきたりな名前のカクテルを口に含み、壁に飾られている置物なんかを見ていた。


「ねぇ、真智さん。早速、明日お願いできます?」

『ねぇ、真智さん』という声がセクシー過ぎる。

「写真ですか? 大丈夫ですけど」

「じゃあ、今日はお酒は控えめにしてくださいね。ははは」

写真館の中では見たことのない笑顔だった。

この人はどんな人なんだろう。
どんな過去があって、どんな恋愛をしてきたんだろう。

恋人はいる? 
まさか、私の最初の予想通り結婚していたりする?

結局、私は何も知らない。

何も聞けない自分にも腹が立つ。
私は本気になると臆病になる。
自分から行動できないんだ。


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