恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「まさか。結婚していたら、真智さんを誘ったりしませんから」
目がなくなるくらい細くなって。
その笑顔がかわいくてかわいくて抱きしめたくなる。
母性本能、くすぐりすぎでしょ。
「そうですよね。すいません」
「僕は結婚に向いていないタイプなんでね」
そう言いながら、四角い形をした小さなチーズを口へ運ぶ。
なんだか、境界線を引かれた気分だった。
僕は結婚しないからね、と言われた感じ。
まだ何も始まっていないけど、始まる前から未来が閉ざされてしまった。
そうか。
この人は、結婚したくないんだ。