恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「私は、好きになっているかもしれない」
そう言った。
「かもしれない?」
今度は慶次郎がいじわるぶってそんなことを言う。
「もう、僕のことが好きなんでしょ?」
腰に回された手。
しなやかに動く指先。
「好きになってもいいの?」
私がそう言うと、またいじわるなことを言う。
「だめだと言ったら、好きにならずにいられるのか?」
敬語じゃない慶次郎はSっぽくてゾクゾクする。
「好き、です」
私の負け。
先に、好きだと言ってしまった。
「僕も、好きです」
丁寧に、心を込めて伝えてくれた慶次郎。
今まで生きてきた中で、一番嬉しい告白だよ。
愛する人に、愛されたんだね。
叶うはずのない恋が叶った瞬間。
和装カメラマンとの恋が・・・・・・実ってしまった。