恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「そうそう、相手の人の写真見せるの忘れてたわね」
期待しないように、先にため息をつきながら写真を受け取った。
「え? この人? 若く見えるし、いい感じの人だね」
「でしょ? この人は、本当にオススメなの。絶対に気に入ると思うわよ」
母は、自信満々にそう言った。
四十二歳という年齢で、おじさんを想像していたが、写真の中の男性は若々しくてかっこよかった。
清潔感もあって、なかなか好印象。
最後のチャンスに賭けてみよう。
結婚、できますように。
恋愛を楽しもうと宣言した舌の根も乾かぬうちに、私はまた結婚を意識していた。
「そうだわ、真智! そろそろお見合い写真撮りなおしたら?」
母のその一言から、私はお見合い写真を撮りにいくことにした。
最後のお見合いにかける私の想いを写真に込めて、お見合い終了宣言と共に、お見合いが成功しますように。