恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
あれから一度も連絡がないまま、私の気持ちだけがどんどん大きくなっていく。
毎晩、電話を片手に眠りについていた。
誰かに聞いて欲しくて、ランチに呼びだしたのは、恋愛テクニシャンの女友達。
「一回会わせてよ」
「だ~め」
近くの職場で働いている高校時代の友人、モニカ。
イギリス人とのハーフで超スタイルも良く美人なのに、性格はサバサバしていて、それなのに甘え上手。
今までモニカと友達でいられたことが奇跡だと思うことがある。
と、いうのも、彼女には、何人も彼氏を奪われた過去があるんだ。
彼女自身、奪うつもりはなかったのかもしれないけど、彼氏が勝手に惚れちゃったパターンが多い。
「着物着て写真撮るなんて、色気あるね~」
モニカは、メンソールのタバコの煙をフ~っと天井に向かって吐いた。
「あんたには絶対に会わせない。慶次郎は、今までの男とは違うの。絶対に誰にも渡したくないから」
そんなことを本気で言っている自分が、ちょっと面白い。
人は、何歳になっても変わることができるんだ。
「男は金、とか、結婚と恋愛は別とか言ってた真智がそんなに変わっちゃうなんて、ますます会ってみたいよ」
「だ~め!」