恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~


「野嶋、何をしているんだ?こんなところで」

「いえ。お久しぶりです」

目をそらした慶次郎は、私をチラッと見た。


私と知り合いだということを隠しておいた方がいいと思った。


だから、私はお見合い相手の腕を引っ張り、


「行きましょう」と声をかけた。



その瞬間、慶次郎が私の腕を掴んだ。



「真智さん、待って」


私が誤魔化そうとしたのに、慶次郎の方から私の名前を呼んでしまった。


驚いたのは、お見合い相手の彼で。



< 70 / 331 >

この作品をシェア

pagetop