恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「野嶋、何をしているんだ?こんなところで」
「いえ。お久しぶりです」
目をそらした慶次郎は、私をチラッと見た。
私と知り合いだということを隠しておいた方がいいと思った。
だから、私はお見合い相手の腕を引っ張り、
「行きましょう」と声をかけた。
その瞬間、慶次郎が私の腕を掴んだ。
「真智さん、待って」
私が誤魔化そうとしたのに、慶次郎の方から私の名前を呼んでしまった。
驚いたのは、お見合い相手の彼で。