恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「私の人生は私のものなのに、いつからか母のために、と思うようになってしまって。慶次郎さんに会った時も、必死で気持ちを抑えようとした。好きにならないように、頑張った。でも、私のこの気持ちは止められなかったんです。人を好きになるってこういうことなんだ、って気付かせてくれたんです」
私、ものすごく大胆な告白してる??
でも、もう止められなかった。
慶次郎は、時々照れながら、私の話を静かに聞いて頷いてくれた。
「優しいんですよ。真智さんは。だから、自分を責めないで。お母さんのことを大切に思っているだけですよ」
その一言で、私の心が驚くくらいに軽くなった。
私はおかしくない。
お母さんが大事なだけなんだ、と思えると体の緊張が一気にとけていくようだった。