恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「お母さん、私の話も聞いて」
消えそうな私の声は、母の心に届かなかった。
母の表情は厳しいままだった。
呆れたような、失望したような、その顔を見ていると胸が痛くてたまらない。
「真智、とりあえず、もう一度会ってちょうだい。大北さんに謝って。話はそれから聞くから」
「お母さん・・・・・・本気で言ってるの?」
また、大きな瞳に涙をためた母。
その顔を見ていると、それ以上言えなかった。
私は、やっぱり母のために生きているのだろうか。
私の人生は私のもの。
そう思っているのに、母の敷いたレールの上しか歩けないのかもしれない。