恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
ホテルの地下にあるバーで夕食を食べることになった。
高級ホテル。
一番高そうなカクテルを頼んでやった。
私は、いつでも泣ける状態だった。
自分自身に失望していた。
好きな人がいるのに。
愛する慶次郎がいるのに、母の為に別の男性に抱かれようとしている。
いいの?
そんなことでいいの?
私の体は私のもの。
私の心は私のもの。
お酒が回ってきて、もうどうでもよくなってくる。
仕事の話や、趣味のゴルフの話をする大北さん。
私は、聞き流しながら適当に返事をする。
機嫌が良いようだ。
これで、解約せずにいてくれるのだろうか。
体を密着させてくる大北さん。
私は、少し逃げながら、機嫌を損ねない程度に体を合わせていた。