暗闇の中にいる私。
帰り道…。

蒼斗「希望。大丈夫か?手、震えてるけど。」

希望「大丈夫。」

蒼斗「なんか、あったら、言ってください。」

希望「竜?とかいう人に言っといて、私は、もう、あなた達とは関わらないって」

蒼斗「多分、それは、無理です。竜が自分の家に異性であるあなたを連れて行くって、言った時点で、あなたは、竜に気に入られたんですから。」

希望「最初は、そっちから、近づいてくんなって言ったくせに、ころころ変わるのね。やっぱり、人間は愚かな生き物ね。」

蒼斗「希望の過去に何があって、闇に染まったかは、知らないが、俺は希望の一番の理解者になりたい。」

希望「勝手になっとけば?私には関係のないことだし。」

蒼斗「本当、希望と喋るのは楽だな。」

希望「はっ?楽って?」

蒼斗「他の女子は大抵、媚び売ってきて、臭い香水つけて、メイクで素顔隠して、ちょーめんどくさいのに、希望は何一つとして、他の女がしてることに当てはまらない。しかも、真逆で媚び売ってくるどころか、逃げてる。」

希望「そりゃあ、逃げるでしょ?いきなり、知らない人に、姫になってもらうって、言われたら。私は縛られるの嫌いなの。それに男が最も嫌いかもね。その男に媚び売ってる女も嫌い。自分勝手で自己満足でしか、恋人をできない奴らなんて、しかも、そいつらは、きっと、温かい家族に包まれて育ってるんだと思うとさらにむかつく。」

蒼斗「えっ?」

希望「気にしないで今の事。」

蒼斗「あのさ、もしよかったら、話してくれないか?」

希望「はっ?何で。」

蒼斗「闇から救いたい。」

希望「わかったわよ。ここじゃ、あれだから、私の家でもいい?」

蒼斗「ああ。」

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