暗闇の中にいる私。
総長室…。

部屋の電気はあえてつけていない。

希望「気持ちの整理がついたら、話して?」

莉音「話します!私には、兄が二人、いたんです。両親は幼い頃に離婚。母親が女一つで育ててくれてたんです。でも、私が十歳の時に、癌で亡くなったんです。兄は私が寂しくならないように、ずっと優しくしてくれてたんです。でも、私が中学生になった頃から、兄の行動に不信感を抱くようになりました。兄は私が寝ている間に裸の写真を撮って売りさばいていたんです!私は、兄に聞く勇気がなく、夜を友達の家で過ごしていました。そんなある日、兄の友達と思われる人に、写真を撮らせて欲しいと言われたんです!怖くて必死で逃げてたんです。で、今日まで、ずっといろんな公園で寝泊まりしていて、今日の朝、アゲハ蝶の施設長さんに拾われたんです!だから、人間を信用できない私は、自分の闇を服の色とパーカーで隠していたんです!」

希望「そっか。私とは違うけど、莉音も辛かったんだね。でもね、もう怖がる必要はないんだよ。何かあったら、私たち、蝶龍と龍王が助けるから、まだ、お兄さんは莉音を探してる!さっき、ハッキングして、確かめた。」

莉音「お優しいんですね。でも、自分の命だけは、大切にしてください。」

希望「わかってるよ。私の過去、聞く?」

莉音「遠慮しておきます。総長さんが闇に戻ってしまうかもしれないので。」

希望「そんな簡単に闇には戻らないよ。後さ、同い年なんだったら、わたしのこと、希望って、よんでよ。」

莉音「えっ?でも…」

希望「これは、総長命令!笑笑なんてね。」

莉音「希望!ありがとう!大好き〜!」

普通に人に抱きつけるんじゃん!

希望「り、お、ん!苦しい(>_<)」

莉音「ごめんなさい!つい嬉しくて。今まで本当に信用できると思える、女友達がいなかったので。」

希望「莉音。気にしないで!後、敬語なーし!」

莉音「うん!」

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