Love begins!!!
何でそんな保証出来るのよ…。
「あのさぁ、お兄ちゃん?私はお兄ちゃんの友達とは知り合いにはならないの!わかる?ほぼ他人同然だよ!?」
少し強めに言ってみたが、それでもお兄ちゃんは納得しない様子だった。
というか何でいきなりこんなこと…。
そして床に置いたビニール袋から冷えピタとゼリーをお兄ちゃんに渡し、私は上着を手に取った。
「帰るからね?何かあったら今度は彼女さんに頼って。お大事に。」
しかしドアノブに手をかけると、後ろから呼び止められた。
「おい!真千、お前さぁ…。今から家に帰るんだよな?それともバイトか?」
「…今日はバイトないから帰るけど。それがどうかした?」
希望の出版社に勤めることになったので、今まで住んでいたアパートを引き払い、4年間バイトで貯めた貯金で引っ越したばかりのマンション。
まだ段ボールの整理も終わっていない状態なので、少しでも早く帰りたかった。
「そ、そっか!わかった!今日はわざわざありがとな!気を付けて…寄り道せずに帰れよ?」
私の返事を聞いて急にスマホをいじり出したお兄ちゃんに首を傾げながらも、私は部屋を出た。
何か、今日のお兄ちゃん変だったような…。
駅までの道のりを寒さに震えながら歩き、そんな事を考えていた。