キケンな花嫁修行~結婚相手が二人!?~【プロローグ】
「そんなに緊張しないで?取って食ったりしないから」

「いえ!あの、決してそんなふうに思ったわけじゃ……!」

「まぁ、あいつはどうだかわからないけどね」



……あいつ?

蘭さんの意味深な言葉に首をかしげた、その時。

リビングのドアが開き、皆一斉にそちらを振り向いた。



「噂をすれば……遅いぞ、蓮」



第一声を発したのは呆れたように腕組みをする蘭さん。

そして無言のまま現れた人物に、私は驚きのあまり目を見開いて固まった。


だって……蘭さんそっくり!!


無造作に遊ばれた茶色の毛先が違うだけで、顔立ちは蘭さんとまったく一緒。

もしかして二人は……



「こいつは双子の弟の……」

「四ノ宮 蓮(レン)です」



蘭さんの言葉に被せ気味で名乗った彼は、にこりともせず浅く会釈した。


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