声が聴きたい
中学・夢も恋愛も
小学校を卒業し、俺達はまた、同じ学校に通い出した。
和希は、新しいクラスで自ら家族や自分の難聴について、勇気を出して話をした。
小学校時代を知る奴らは、久しぶりの和希に驚いて、その話し方などの変化にまた、驚いた。
始めての奴らは好奇の目を向けるものもいたが、(俺にも)おおむね、好意的に受け入れてくれた。
和希の人柄が、嫌味なく受け入れる雰囲気を作り出したんだと思う。
3人は1度も、揃って一緒のクラスにはなれなかった。
いつも、誰かしら別だったり、みんなバラバラだったり。
俺と和希は、姉弟だからか中学から高校も、1度も、同じにはなれなかった。
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和希がデザイン、秀が医者、それぞれハッキリした夢があるなか、(和希については、中学時代はただ、好きなことなんだろうってしか、思ってなかったけど……)自分には好きなこと、夢中になれることがなかなか見当たらなくて焦ってた。
なんでもソコソコそつなくこなせてしまう自分が、なんだかつまらなくも感じた。