声が聴きたい


暑い夏が来て、水泳の授業が始まった。


小学校のころから運動は得意だったけど、これは一番といっていいほど。


だから、楽しみにしてた。


いろんな小学校から集まったクラスメイトの力量はわからなくて、何だかワクワクしてた。


クラスには水泳部に入ったやつもいたから。


自己申告で3つのグループに分けられた。


もちろん、俺は泳げるグループ。


このグループは8人。


取り敢えず端のレーンで好きに泳いでろって……せんせ~手、抜きすぎでしょ。


まぁ、気楽でいいけどね。


女子の泳げるグループは5人。


2レーンで往復を繰り返すがだんだんと、飽きてくる。


誰かがレースしようと話し出すと、待ってましたとばかりに13人はその話に乗った。


もちろん、じろりと見てくる先生には愛想笑いしてかわして、こそこそと。


男女混合で、2チーム、俺のチームは最初と最後に俺。


ささ~っと、位置について静かに合図の手が下ろされた。


相手は水泳部の女子で、速いが男女の体格差がでて、俺が先に繋ぐ。


5人目辺りになると、周りの目も忘れて11人が叫びまくる。





< 120 / 163 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop