声が聴きたい
暑い夏が来て、水泳の授業が始まった。
小学校のころから運動は得意だったけど、これは一番といっていいほど。
だから、楽しみにしてた。
いろんな小学校から集まったクラスメイトの力量はわからなくて、何だかワクワクしてた。
クラスには水泳部に入ったやつもいたから。
自己申告で3つのグループに分けられた。
もちろん、俺は泳げるグループ。
このグループは8人。
取り敢えず端のレーンで好きに泳いでろって……せんせ~手、抜きすぎでしょ。
まぁ、気楽でいいけどね。
女子の泳げるグループは5人。
2レーンで往復を繰り返すがだんだんと、飽きてくる。
誰かがレースしようと話し出すと、待ってましたとばかりに13人はその話に乗った。
もちろん、じろりと見てくる先生には愛想笑いしてかわして、こそこそと。
男女混合で、2チーム、俺のチームは最初と最後に俺。
ささ~っと、位置について静かに合図の手が下ろされた。
相手は水泳部の女子で、速いが男女の体格差がでて、俺が先に繋ぐ。
5人目辺りになると、周りの目も忘れて11人が叫びまくる。