声が聴きたい
「りょ~~かい。俺も、そこに行くから」
「はぁ?」今度は呆れた感じ。
「まっ、そうゆうことだから宜しくな」
そこまでいって俺は一方的に通話を切ってしまった。
そうと決めたら親にも話さなきゃ。
金がかかるしな。
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その夜、家族での夕食後の団らん中。
たいていは、夕食が終わるとそのまま、リビングでお茶やコーヒー、デザートをもらって、その日のことや今後の予定を話す。
その、和やかなとき。
「父さん、母さん、俺さ、秀と一緒の東都大学の医学部行くから」
シーン………………
三人の手が止まり、時間さえも止まった気がするくらいの空気。
「……本気、か?」「すごいッ!」
ほぼ同時に聞こえた父親と和希の声。
三人の顔を真剣に見渡しながら「本気、です。だから、金……かかるけど、行かして下さい……塾とかは行かないで済むように、本腰入れるから。」