声が聴きたい


「理由を、聞こうか」


父さんがテレビを消して俺の顔を見つめてくる。


「俺……」ちらり、和希の顔を見ながらも、話始めた。


「今日、水泳んとき、溺れた子がいて……何も出来ないし頭ん中何も浮かばないし、悔しくて。で、自分の気持ちを真剣に考えた……で、でた答えが救命救急を仕事にすること」


母さんも和希も、優しい微笑みで見守ってくれてる。


「俺がやりたいことを、障害なくしそるには消防職員の資格をとること、救命救急士の資格をとること、が必要で、医療を極めたレスキュー隊員になりたいから、医学部で学んでから消防職員の公務員試験受ける。」


数秒、厳しい父親の目と視線が絡まり思わず息を止める。


「そうか、……自分自身が危険にさらされること、険しい未来だということも、投げ出さない覚悟があると、たった1日のことで信用しろと、言うんだな?」


視線と同じように厳しい父親の言葉に、唇を思わず噛む。


数分、無音のままに時間が過ぎていく。


「中学では、卒業まで学年五番以内をキープする。部活にははいらないけど、ランニングや筋トレをサボらずに毎日する。それが、続けられたら、信用して、下さい……」



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