声が聴きたい
「いや……分かりやすすぎるから、お前……今さらだろ?」と呆れた俺。
「ふんっ、まぁいいや。それよりさ、誕生日プレゼント何だけど和、最近欲しいものとかなんか言ってないか?」
「いや……知らねぇ……俺もなんにしようかな?」
こんな風に会話をしながら秀は和の心を掴むための作戦を考えてたみたいだ。
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誕生日の日、優しい俺は帰りの時間をずらしてやり、二人で帰宅させた。
和希はそのままどこかに(中学生だし、公園がいいとこだけどな)寄ってから、普段からしたら遅い7時前に秀に送られて、手を繋いで、帰ってきた。
「お帰りなさ~い、和、秀くんありがとね。お夕飯、食べてきなさい、悠里には言ってあるから」と母さんが二人を出迎えた。
そして、繋がれたままの二人の手をみて優しく「おめでとう、かな?フフフ……」と笑ってた。
言われた二人はチラッと互いの顔を見てから赤らめて、俯いた。
和希は、俯いたまま靴をぬいで上がり、秀は諦めたように脱力して、「お邪魔します……これから宜しくお願いします」と言ってた。