声が聴きたい
「どうして……石を投げたの?うちの子を狙って、たの?」と聞かれて「「ちがうっ!」」と答える。
つっかえながら泣きそうになりながら猫のことを話す俺たち。
「もう、しないでね?」
最後にそう言って、泣きつかれ寝てしまったらしい男の子を抱えて帰っていった。
不幸中の幸いというか、ケガは手の甲に切り傷が出来ているだけだったが、ギザギザした石の角で、切れてしまったらしく、小さな甲に4~5㎝の大きな絆創膏を貼られたのが痛々しかった。
「自分のすることには責任をもたなくちゃいけない、わざと誰か、何かを傷つけるなんてのは、当然駄目だけど、無意識であったって、知らないじゃ済まされないんだよ。」
「あんたらの仲良しが同じ目にあったら怒るだろう?悲しくて悔しくてムカつくだろう?楽しさにのみ込まれちゃだめなんだ」
清水さんは静かな怒りを含む声で俺たちに話した。
親父には「あの石であっても、人は死ぬぞ……」静かに無表情で言われ、背中がゾクッとした。
あのときは医者の息子が怪我させて、親父を困らせたから怒られたって気持ちのほうがどうしても強かった。