声が聴きたい


「あ~~和には申し訳ないけど、俺もあり得ない。全く、ないね。」とハッキリいう。


「なぁんだ……つまんない。二人、付き合ったら、また、四人……はぁ……つまんない。」


「そんな理由かよ。」


どうやら、今日が楽しくて、俺と安藤が付き合えば、これからもこんな日があると思ったらしい。


「和の都合で俺の彼女決めるな」「はぁい……加奈子、いい子、なのに……」「かぁずぅ~~」「わかった、わかったよ、ご、め、ん、なさいっ」


和希はささっと自分と秀の飲み物を持って戻っていった。


「ったく……余計なお世話だっての……」


俺は、自分のと安藤の飲み物を手に、歩き出した。


すると、安藤がこちらに向かってくる。


「悪りい、遅れた」「違うよ、それは平気。えっと、それより、さ?」いつもハキハキした安藤にしては珍しい。


「どうした?」聞きながら『さっきのことか?』と予感があった。


「さっき、さ?和に何か、言われなかった?」


ばつの悪そうな顔つきで聞いてきたから、「あぁ~~悪かったな、気を遣わせて」と先に謝った。






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